2008年09月26日

「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」「大魔神」(1966年)

 この夏に息子を映画館に連れていった。3才にして映画デビューだ。この初めての映画体験は彼の記憶に残るのだろうか。アンパンマンの劇場版だし、その後旧作の劇場版もレンタルビデオで借りて見せているので、我が子にとっては、いや、今の子供にとってはなかなか映画館の初体験として記憶に残りにくいかもしれない。

 僕の映画館デビューの事はよ〜く覚えている。「ガメラ対バルゴン」と「大魔神」の二本立てだった。Wikiによると、2作の公開は1966年4g月17日だそうだ。僕のデビューは4才ということになる。それにしては特撮物とは言え、我が子の「アンパンマン」の、言わば〈安心して子供に見せられる映画〉とはあまりに違うなぁと、子を持つ身になって改めて思ってしまう。とは言え、これは僕が親にせがんだのでも、親が連れて行ってくれたのでもない。単なる僥倖だった。

 牛乳屋を経営している親を持つ僕の幼なじみは同い年ということもあって、日頃からよく一緒に遊んでいた。子供心にも彼の家庭が経営者の家らしく生活レベルが違うのははっきりしていた。いちはやく電子レンジやエアコンが据え付けられた。ひな祭りに幼なじみの母親の持ち物である立派なひな壇が広間に飾られて、度肝を抜かれたのも覚えている。

 彼の言う事ならたいていは聞いてもらえたので、そのときも幼なじみが母親にせがんだのだろう。タイミング良く遊びに行ってたのか、前々から二人で行きたいと示し合わせていたのか、とにかく僕も映画のご相伴にあずかる事になったのだ。板橋に住んでた僕らが映画を見るとなると、大山に出向く。その当時の大山銀座は今のような商店街という趣ではなく、もっと繁華街としての要素が強かったように思う。映画館は東映と東宝と日活の3館があった。いずれも東武東上線大山駅の板橋文化会館側にあった。今でこそアーケード側がにぎわっているが、アーケードがなかった当時は映画館でにぎわっている側が娯楽のメッカだったと思う。

 大山東映のスクリーンが一番大きかったと思うが、果たしてそこで見たのか、さすがに記憶がない。この2作は今はなき大映映画の製作だが、当時は東映か日活の映画館で上映されたはずだ。

 「ガメラ対バルゴン」は昭和のガメラシリーズの2作目にあたる。ということはすでに前作「大怪獣ガメラ」が前年に公開され、ガメラの何たるかは知っていたはずで、ひょっとしたらテレビで放映されていたかもしれない。さすがに公開一年たつかたたないかではやってないか。後にも先にも昭和ガメラを映画館で見たのはこの時限りなのだが、その後テレビでは繰り返し放映されたので、第1作を先に見たのか後に見たのかは分からない。とにかく本作の印象を一言で言うなら「気持ち悪い」だ。何しろ卵から孵る「バルゴン」の体はヌメヌメした粘液につつまれている。まさに爬虫類そのものだった。そしてガメラときたら、当然ながら亀なので、傷つくと傷口から緑の血がドクドクと流れ出す。こちらの演出も非常に気色悪い。

 バルゴンはヌメっとして気持ち悪い上に、背中(しっぽ?)から虹色の光線を出す。そのサイケデリックな画面が、またなんとも悪趣味であった。この時のイメージが強いからか、ライバルのゴジラが爽やかなヒーローへと変身していくのとは逆に、その後のガメラシリーズは得体の知れない異様な魅力を保ち続けたような気がする。この気持ち悪さは幼なじみも耐え難かったようで、半泣きの状態で今にも席を立ちそうだった。それでもガメラがバルゴンを退治して休憩に入って一段落したと思ったら、続いて「大魔神」が上映されると、ついに幼なじみはギブアップする事になる。

 「大魔神」は1作目で、その後合計で3本作られた。wikiによると、3本とも1966年に作られており(4月,8月,12月)、当時の映画が如何にテレビに代わる前の一大娯楽であった事がよくわかる。でもきっと大魔神が暴れ回るセットは使い回したんだろうな。「大魔神」のストーリーは、今でも通用する典型的なヒーロー物だ。普段はやさしい顔をした仏様の像で、村の隠れ本尊のようにひっそりと山奥に座っているが、悪代官の所行に耐えかねた村人(無垢な女性や子供)が訴えると「大魔神」に姿を変えて、代官所や城を暴れ回って悪人を処刑する。自らの額にうがたれた鉄杭を引き抜いて悪代官を串刺しにしてしまう上に、なお気が済む事なく暴れ続ける。訴えた女性や子供自身が「こらえてください」とお願いして、ようやく元の姿に返る。日本古来の「荒ぶる神」を見事に演出していた。

 でも、この大魔神。たぶんシネスコだったと思うのだが、普段の石造りの仏の顔から、ダークグリーンにメークした生身の人間の怒り顔になるところがどアップで映し出されて、映画館の観客を圧倒する。もうワイド画面いっぱいに変身過程が映し出されるものだから、大の大人でも驚かされる。ましてや4歳児のショックは並大抵ではない。幼なじみは変身のシーケンスで引きつけを起こしてビービー泣いた。帰ると言ってわめいた。どうなったんだろう。ロビーに母親が連れていったのかな。僕はと言えば、そのまま見ていた。怖かったはずだ。でも面白い。怖い物見たさが勝った。

 その後、幼なじみにはトラウマが残った。かどうかは定かでない。僕には映画館の鮮烈な記憶が残された。

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posted by アスラン at 19:30| Comment(3) | TrackBack(1) | 記憶の映画を探して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 はじめまして。突然のコメント誠に恐れ入ります。
私は、下記のTBをいたしました「ガメラ医師のBlog」管理人のガメラ医師と申します。映画ガメラに関する情報収集Blogを更新しており、こちらの記事にはガメラの検索から参りました。
 拙Blogでは従来より、昭和版ガメラシリーズに付いての言及をされた記事をまとめておりまして、この度9月27日付けの下記TBの更新中にて、こちらの記事をご紹介させて頂きましたので、ご挨拶に参上しました。差し支えなければ、拙Blogもご笑覧頂ければ幸いに存じます。
 長文ご無礼致しました。それではこれにて失礼します。
Posted by ガメラ医師 at 2008年09月27日 16:07
ガメラ医師さん、コメントありがとう。

たぶん二度めのご来訪だと思います。以前に「平成ガメラ」の記事にもコメントしてくださったと記憶しております。

昭和ガメラについてはまだ書き足りないので、また書きたいと思います。
Posted by アスラン at 2008年10月06日 03:22
 あわわわ、大変なご無礼を致しまして…
誠に失礼しました。
        m(_ _;)m 
 今後もガメラの記事を取り上げさせて頂くことがあろうかと存じます、
その節にも、どうか宜しくお願い申し上げます。 
 
Posted by ガメラ医師 at 2008年10月06日 18:58
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ガメラ:昭和(湯浅)版関連情報 2008/09/27
Excerpt:  前回の「湯浅版視聴記 09/19」はこちら。  ガメラ論議: 『nanasukeのボヤキ書き』 http://ameblo.jp/nebosuke-nanasuke/ さん、9月21日の更新。 ..
Weblog: ガメラ医師のBlog
Tracked: 2008-09-27 14:44
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