2006年01月05日

「SADA」「F(エフ)」(1998年4月12日(日))

 丸の内松竹で「SADA」(no.54)を観る。

 監督は大林宜彦

 阿部定事件を題材にした映画は過去に何本も撮られているが、今回は猟奇趣味とかエロティシズムなどは排除して人間・阿部定の純粋な心を描いている。

 大林は阿部定の生き方に、今の日本人が失ってしまった純日本的な情愛の世界を見ている。それは彼自身の夢想であるだけに戯作という一種の実験映画の手法をとらざるを得なかったと思う。

 東劇で「F(エフ)」(no.53)を観る。

 奇しくも今日の2本は解任された奥山和由が仕掛けたシネマ・シャパネスクからの作品。

 娯楽映画の名匠(?)らしく金子修介は手際良くテンポある魅力的なストーリ作りに徹している。監督のコメントに「めぐり逢えたら」を目指したとあるが、まさに「めぐり逢い」「めぐり逢えたら」の世界

 運命的な出会いに引かれて最後には結び付けられる二人。羽田美智子の感情表現はいつも中途半端で紋切り型なのだが、演出の力かスタンダード・ストーリの力か、それなり見られてしまう。ダンサーの熊川哲也が意外と芸達者なのにはビックリ。

 それにしてもヒット作にはならなかったようだが、金子監督には器用貧乏で終って欲しくない。来年の夏には「ガメラ」3部作のラストを撮ってもらいたいものだ。
posted by アスラン at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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