2009年08月11日

大原麗子亡くなる

 すごく寂しい。そんな死だった。まだ62歳なのに、名前の通りに麗しい女性がひっそりと誰にも知られる事なく病死した。あんなに有名な女優さんなのにと、彼女を知る人ならみんなそう思うだろうが、「あんなに有名な女優さんだった」のだ。芸能活動を病気治療のために休止している。Wikiを見ると「日本の元女優」と書かれていて、ショックだった。女優は死ぬまで女優だと思っていたからだ。

雑居時代(NTV,1973年)
獄門島(東宝,1977年) 鬼頭早苗
くれない族の反乱(TBS,1984年)
春日局(NHK,1989年) 春日局


 彼女の作品を振り返ると、思った以上に代表作というのが少ない。あれほど人気の大女優ではあったが、ワイドショーや新聞に取り上げられるのは、サントリーの「少し愛して 長〜く愛して」のコピーが有名なウィスキーのCMか、マドンナとして助演した「寅次郎シリーズ」の出演作というところに落ち着く。

 僕個人の記憶をたどってリストアップしてみた。なんと言っても「雑居時代」だ。70年代のホームドラマになくてはならない存在だった石立鉄男が、あの大ヒット作「パパと呼ばないで」に引き続いて出演した作品だ。しがないフリーカメラマンの石立が、ひょんなことから女性4姉妹と同居する事になる。前作で親子になった杉田かおるも末っ子として登場していた。

 大原は次女で、もっとも石立と対立し、そしてもっとも互いを意識するという役どころだった。そのマンガのようなワクワクさせる展開に、小学生だった僕は当然ながらドキドキしながら毎回楽しみに見ていた。思えば最初のあこがれの人だったのかもしれない。

 石坂浩二が金田一耕助を演じたシリーズの三作め。獄門島という瀬戸内の孤島から一歩も出たことがなく、本鬼頭という旧家の因襲にしばられて生きる悲しい女性・早苗を演じた。「(ここから)連れ出してください」とすがる彼女に、金田一が動揺するという、本シリーズ屈指の名シーンが描かれた。

 そして80年代。「金曜日の妻たちへ」シリーズで一世を風靡したTBSのドラマ枠で放映されたのが、大原麗子扮する主婦が田村正和扮する店長(マネージャー)が仕切るデパ地下の店舗でパートタイムの仕事につくという設定だった。「くれない」というのは色の事ではなく、「〜してくれない」と子供のような駄々をこねる主婦が多くなったという世相を反映したドラマだったようだ。

 そして彼女のおそらく女優としてのキャリアのピークがNHK大河ドラマ「春日局」だ。まだ親元にいて日曜の夕食後のひとときを父母と一緒になって見ていた時期だ。大河ドラマの主人公は男のものと決まっていたのを、堂々と女性ひとりが主人公になった最初の作品ではなかっただろうか。今の「篤姫」の宮崎あおいがそうだったように、とっても新鮮で、気丈で可憐な女性像がとっても魅力的だった。

 数ある難病のなかで、僕もよく知らなかったギラン・バレー病に若くして発症し、克服する事なく62歳という若さで旅立った。本当に残念だ。
posted by アスラン at 13:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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