2006年02月06日

「ハムレット」「ユキエ」(1998年2月14日(土))

 日比谷のみゆき座で「ハムレット」(no.25)を観る。

 4時間の大作で間に20分の休憩が入る。全席が日時指定の自由席という変則的な売り方なので一週間前に前売りを買っておいたが、いつも当日にその日見に行く映画を決めている僕としてはあまりうれしくない売り方だ。

 有名なハムレットの戯曲だが原作も読んでなければ舞台も見た事がなかったので、大変新鮮な気分で楽しめた。知らないなりに引用される事の多い有名なセリフ(「弱き者、汝の名は女」とか「生きるべきか、死ぬべきか」「尼寺へ行け」)がさりげなく出てくると、ケネス・ブラナーの演出がかなり現代的というか斬新だという事が分かる。

 「生きるべきか…」のくだりは鏡の前にハムレットを立たせ、自らの言葉に酔うかのように、それでいて不要な抑揚はつけずに言い放つ。しかも復讐の相手である国王が鏡越しにそれを見ている

 さすが映画にも精通しているブラナーだけあって単なる舞台の映画化でなく、見事に映像化に成功している。映像はオーソドックスに、演出は革新的に、という感じだ。

 シネスイッチ銀座で「ユキエ」(no.24)を観る。

 アメリカのルイジアナに暮す老夫婦の物語で、夫はアメリカ人で妻が日本人。その妻がアルツハイマーにかかり次第に重病になっていく過程を描いている。

 全編アメリカロケだが、監督は日本人、脚本は新藤兼人だ。

 これほど何も起らない映画も珍しい。何も起らないのに素晴らしい映画はたくさん観てきたが、この映画は本当に何も起らないのだ。確かに日本人妻の病状らしきものを描いてはいる。らしきものと敢えて言うのは、アルツハイマーという病気を本気で映し出そうという真剣さが画面から全く感じられないのと、老夫婦を含めて登場人物の描写がおざなりで単に脚本にある事をなぞっているだけだからだ。

 しかもユキエが故郷である萩を回想する場面ではモンタージュを多用しているが、意図が不明だし気取っていて不愉快だ。

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posted by アスラン at 03:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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