2005年05月29日

1999年7月11日(日) 「アドレナリン・ドライブ」

 渋谷シネ・アミューズで「アドレナリン・ドライブ」(no.73)を観る。

 「ひみつの花園」の矢口史靖の最新作。自主映画から始めてぴあのフィルムフェスティバルでグランプリを受賞して一躍メジャーになった監督である。

 彼の作品は今回が初めてだが、インディーズっぽいわけのわからない芸術性とか作家の思い込みみたいなものは見当たらない。とにかく面白いものを作ろうとする姿勢がいい。インディーズらしさは、そのわけのわからない予測不能のストーリー展開と、日常会話を巧みに取り込んだ登場人物たちの台詞に表われている。それでいて話のテンポがよく、ひとたび転がりだすと止まらないスピード感で描かれていく。

 主演が石田ひかりなので恋愛パートはあまり期待できないが、この監督には本当のラブストーリーをやりたいというより冒険の中でのほのかな恋愛感情にとどめておきたいという意図が見えている。

 そのために石田ひかりはからだじゅう擦り傷だらけで走り回るボーイッシュな存在として、相手役の安藤政信はひよわでたよりなく告白も思うようにできない男として描かれている。これは基本的に冒険活劇として描くための作家の戦略なのだろう。それよりもやくざと婦長との中年どうしのやるせない恋の方に作品の味わいが出ている。
posted by アスラン at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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