2005年06月07日

1999年5月29日(土) 「ハイ・アート」「RONIN」

 渋谷シネマライズで「ハイ・アート」(no.50)を観る。

 「ムトゥ・踊るマハラジャ」や「ワンダフル・ライフ」といった作品と並列にこういった現代アートの感覚が鋭い作品がかかるのがシネマライズの懐の深さというか、節操のなさというか。

 ニューヨークの写真雑誌の編集助手になりたての女性シドはなんとか上司にも認められる実績をあげたいと野心の燃えている。偶然にも彼女の住むアパートにかつては名の通った写真家ルーシーが住んでいるのを知り、彼女にもう一度写真をとらせようと画策する。

 ルーシーは出版社の商業主義についていけず姿を消したのだが、次第にかたくなな心を開いていく。それはシドを被写体として、心も肉体も開放できるパートナーとして付き合うようになっていくためである。

 アートの世界の特異な人間関係や商業主義に塗り込められた業界の裏側をリアルに描きだしている。女性ならではの柔らかい映像とサウンドが素晴らしい。

 渋谷東急3で「RONIN」(no.49)を観る。

 東西の緊張関係が崩れた現代に”浪人”となって世界に散らばった男達が金で雇われて使命を果たそうとする。明らかに下敷きに黒澤の「七人の侍」がある。

 プロフェッショナルとしての技術や考え方がストーリーに反映して見応えがある。それに男同士のクールな友情。黒澤の馬を車に変えた市街を疾走するカーチェイスの迫力。すべてが手作りであり特撮を使わないリアルさと重厚感に満ちている。

 60,70年代にもっとも活躍したジョン・フランケンハイマーのアクション活劇が見事に復活している。
posted by アスラン at 01:02| Comment(0) | TrackBack(2) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

RONIN(1998/米)
Excerpt: 監督:ジョン・フランケンハイマー 出演:ロバート・デ・ニーロ ジャン・レノ ナターシャ・マケルホーン カーチェイスというか、車の見せ方が最高ねっ、という映画だと思います。アウディが最高に速い車かど..
Weblog: 虫干し映画MEMO
Tracked: 2005-06-07 09:41

仕事と愛情の境界線に揺れる気持ち◆『ハイ・アート』
Excerpt: 写真雑誌「フレーム」の女性編集アシスタント、シド(ラダ・ミッチェル)は、バスルームの水漏れをきっかけに、アパートの階上に住むルーシー(アリー・シーディ)の部屋を訪れ、 そこに飾ってあるスナップ写真の数..
Weblog: 日々の記録と、コラムみたいなもの
Tracked: 2005-06-15 03:42
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。