2005年06月07日

1999年5月24日(日) 「シューティング・スター」「ペイバック」

 シネヴィヴァン六本木で「シューティング・スター」(no.48)を観る。

 「CUBE」を観て以来久々に来た。学生の頃は頻繁に来たが、シアターの方針が変わったせいで足が遠のいている。かつてタルコフスキー、エリセ、ロメール、シュミット、ジャームッシュなどの作品を次々に送り出していた頃とは隔世の感がある。
 かかる映画が渋谷シネマライズのような90年代のファッション感覚に見合ったようなラインナップになってしまった。

 今回の映画もそんな感じのフランス映画だ。
 出だしから「パルプ・フィクション」のように軽いタッチで一家が皆殺しにされて、唯一赤ん坊だけが目こぼしされて生き残る。強盗の一人に言わせれば「それも運命」というわけだ。

 赤ん坊の20年後が主人公のレニー。女たらしで詐欺師。一攫千金を夢見てヤクの売人からコカインをだまし取る。そうこうするうちに組織のボスの女と巡り合い、やがてボスのヤクを奪い取って二人で駆け落ちをすることになる。話の展開が速くブラックなユーモアでくるまれたギャングものであることなど、どうもハリウッドで成功したタランティーノを意識したとしか思えない。

 かなり劇画調のストーリー展開でラストも飛び切りロマンティックでロンドンで離ればなれになった二人は、女のあこがれの場所チリの最果ての地で再会し星空の下で結ばれる。ただ決定的にタランティーノと違うのはユーモアに毒がなく単なる劇画としての滑稽さに終始している点だ。

 日比谷に移動。日劇東宝で「ペイバック」(no.47)を観る。

 「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンが新しいアクション映画に挑戦。今回は組織をも脅かす一匹狼の悪党を演じた。盗んだ金を相棒にだまし取られおまけに女房にまで裏切られてしまう。一度は死にかけたが、組織に流れた自分の金を取り戻そうと執拗に追いかける。

 非常にクールでハードボイルドな悪党だが、今一つ盛り上がりに欠ける。組織に凄みが感じられずボスからして脳天気な奴ばかりだからメル・ギブソンのキャラクターが活きてこない。

 原作が有名なミステリーシリーズ(悪党パーカー)というのも災いしているようだ。原作の登場人物の描写にこだわるあまり、ストーリー展開がもたつき逆に映画全体の活気がなくなっている。

 原作を知っている人にはこたえられないかもしれないが、門外漢には単に出来損ないの脚本としか思えない。「リーサル」と比べると地味なアクション映画としか言い様がない。

カチンコ
 シネヴィヴァン六本木が様変わりしてしまったのは、セゾングループ特に西武の凋落が始まったのと軌を一にする。つまりは道楽のような部門にさく金はないということだったのだろう。
 2000年以降すっかり足が遠のいてしまって、閉館の話もどこか他人事で聞き流していた。
うかつだったのは六本木ヒルズの存在だ。僕は完全にアークヒルズの近くにできたと勘違いしていたのだ。現在地を知るのは2004年夏になってからだ。
 「ディープ・ブルー」を見に行った僕はかつてのWAVEが跡形もなくなっているのを知った。いや旧テレビ朝日を含めて何もかもが巨大な空間に呑み込まれていたのだ。
posted by アスラン at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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