2005年06月08日

1999年5月23日(土) 「カラー・オブ・ハート」

 みゆき座で「カラー・オブ・ハート」(no.46)を観る。

 原題は「プリザンヴィル」、愉快なところの意だ。

 90年代の現代ではうまく回りに溶け込めない主人公の高校生デイビットの唯一の楽しみは、50年代のモノクロのTVドラマ。その理想の世界にふとしたきっかけで妹と二人で入り込んでしまうという奇想天外なストーリー。

 町の外がなかったり本はすべて白紙。バスケ部ではだれもがフリースローを一発で決めてしまうなどなどのお約束の世界の描写がおかしい。やがて妹のセックスがきっかけとなり、人々が自由にめざめ色付いていく。ここらへんのSFXが素晴らしいし演出の味付けとなっている。

 しかもやがて有色人を白黒人が差別してゆくという展開になるあたりは単なるコメディではなく、と言って一種の風刺劇でもない。見事な寓話となっている。

 50年代をちゃかす一方で、決して現代の生き方を全面的に肯定しているのでもない作者のまなざしが作品にあらわれている。自由で変化に富んだ生活は、悲しみや虚無、痛みを伴っていることもきちんと描いているからだ。

 ラストで色づいてしまったママ、パパ、ハンバーガーショップの主人のとまどう顔が印象的だ。
 
「これからどうなるんでしょう」
「私にもわからん」

 それが自由の意味であり代償でもある。
posted by アスラン at 01:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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テレビ放送の日??カラー・オブ・ハート(99・米)
Excerpt: うわー、もう2月だよ。早いねー。 2月1日は「テレビ放送の日」。1953(昭和28)年のこの日から、 日本初のテレビの本放送が始まりました。
Weblog: 毎日が映画記念日
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