2005年06月09日

1999年5月4日(火) 「恋に落ちたシェークスピア」「女と女と井戸の中」

 渋谷東急で「恋に落ちたシェークスピア」(no.43)を観る。

 ここは東急文化会館の5Fにあってかなり大きい。スクリーンは渋谷一の大きさじゃないかな。
 映画はアカデミー賞7部門を受賞した話題作。監督のジョン・マッデンはイギリス人で先頃「Queen Victoria/至上の愛」が上映されたが残念ながら観ていない。舞台劇のキャリアがあるので、今回のシェークスピアを題材にした戯曲の演出手腕も確かなものだ。

 キャストも「シャイン」のジェフリー・ラッシュを始め豪華なメンバーがそろっている。ここ数年の最良のイギリス映画(「ブラス!」や「フル・モンティ」「いつか晴れた日に」など)の出演者たちが脇を固めている。

 シェークスピアが恋に落ちて「ロミオとジュリエット」を書き上げたり、恋の相手が「十二夜」ばりに男装して舞台に上がるだとか非常によく考えられた脚本になっている。欲を言えばグウィネス・パウトロウは男装した時は演技がちょっと紋切り型で単調かなとも思うが、それ以外は若々しくて上品で美しくてと文句無しの出来だ。

 「タンゴ」のル・シネマは満席。ここは立ち見も制限しているので満席で打ち止めになる。残念ながらあきらめて急きょ新宿に移動。

 以前恵比寿でやっていた「女と女と井戸の中」(no.42)を東映パラス3で観る。

 全48席。以前「うなぎ」を観た松竹ピカデリー3の53席より小さい。40インチのTVで観るような感じだ。

 オーストラリアの田舎町。辺りは岩と荒野しかない。「マッドマックス」に出てきた風景のようだ。そんな中に父と二人暮らしのへスター。ある日若い家政婦キャスリンがやってきて、へスターの生活が変わってゆく。

 父の奴隷のように生きてきたへスターは、キャスリンの自由な生き方に魅せられ自らの孤独な人生の穴埋めにキャスリンを求めるようになる。それはある時は娘としてであり、ある時は友人として、恋人として。父が死んでからはそれがエスカレートしてゆく。

 キャスリンを繋ぎとめるために、欲しがるものは何でも買い与えるようになるへスターの鬼気迫る情念が怖い。全体が青味がかった映像でとられ、オーストラリアの荒野での二人の生活の冷たい緊張感がうまく表現されている。

 キャスリンが車で男を轢いてしまって井戸深く死体を隠してしまってから二人の生活が破綻していく後半は、残酷と不思議な温かさが共存している。
posted by アスラン at 05:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アスランさん、ご無沙汰しております。TB有難うございました。私は「恋に落ちたシェークスピア」が大好きです。とっても良い映画でした。実際にロミオとジュリエットというシェークスピアが手がけた作品を観るよりも、個人的にはシェークスピア自体がロミオ、ヴァイオラがジュリエットの方が見ごたえがあった気がします。
Posted by ありす at 2005年06月09日 09:50
ありすさん、お久しぶりです。
ようやくこの映画にまでたどり着きました。

たぶん「ロミオとジュリエット」の一族どおしの確執を超えた愛というテーマが現代ではもうすでになじまないのかもしれません。「ウエスト・サイド物語」という現代に置き換えた名作もありますが、これすらもう設定が古い気がします。
Posted by アスラン at 2005年06月10日 04:04
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お勧め映画:恋に落ちたシェークスピア
Excerpt: この映画、良かったです。私は「ロミオとジュリエット」って正直、よくわからないんですよね。(笑)だから観ても面白いとは感じないだろうと思ってたんですよ。 前はあんまり恋愛映画って観ない方だったから。{/..
Weblog: Arice in my wonderland〜とことこプチ旅日記〜
Tracked: 2005-06-09 09:46
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