2005年06月17日

1999年4月3日(日) 「フェアリーテイル」「ヴァージン・フライト」

 銀座テアトル西友で「フェアリーテイル」(no.27)を観る。

 1920年に発表された妖精と二人の少女との写真が「コティングリー妖精事件」として歴史的に名を残す事になる。

 1999年に生きる現代人の目から見ると明らかに作り物としか見えない妖精写真を当時の社会は一大センセーションとしてとらえた。

 一つには科学の進歩から取り残されつつある古い因習や伝承を捨て去りがたい人間のノスタルジーが今以上にあり、また一つには第一次世界大戦という不安定な世相の中で神秘主義が根強く人々の心を捉えていたためだ。

 この映画は真実を解明する事に主眼はなく、少女たちの妖精を信じる純真さを信じてあげたいという温かな視点に貫かれている

 その気持ちを代弁するのがコナン・ドイルであり、フディーニという歴史的人物である。ピーター・オトゥールとハーヴェイ・カイテルという渋い二人が演じていて見応えがある。特にハーヴェイは写真の信憑性に疑問を持ちながらも二人の少女を温かく見守るところがなんともいい。

 シャンテシネで「ヴァージン・フライト」(no.26)を観る。

 最近とみに出演が目立っているヘレナ・ボナム・カーターだが、今回は難病で車椅子生活の女性ジェーンを演じている。
 一方才能の限界を感じている中年の画家リチャードをケネス・ブラナーが演じている。

 リチャードはビルから翼をつけて飛び下りる事件を起こして裁判所から社会奉仕活動を命じられ、ジェーンの相手をすることになる。ジェーンは病人扱いされることを嫌う気難し屋で皮肉屋。二人はたびたび衝突するがお互いの傷を知る事で次第に打ち解けて行く。

 そんな中、死んでいくしかないジェーンの心残りは普通の女の子のすることが出来ていない事。

 「私のロスト・ヴァージンを手伝って。別にあなたでなくてもいいの。」

と無理難題を持ちかける。一度は断るリチャードだが、彼女の切ない気持ちがわかり協力する。

 自らも人生の行き場を見失ったリチャードがジェーンのためだけでなく自らをもう一度「飛ばせる場所」を探し求めて奮闘するシーンが滑稽でもあり感動的でもある。

 風変わりなラブストーリだ。
posted by アスラン at 00:30| Comment(2) | TrackBack(1) | 大いなる遡行(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
TBありがとうございました。
フェアリーテイルを紹介している人、結構少ないと思いましたので、純粋に嬉しいです。
この映画、当時の背景を知らないと解説するにもキツイですね(笑)私などはその典型です。なので、こちらの記事は勉強になりました。ありがとうございます。
妖精の写真について、撮影した当人が何年(何十年)?前に真実を語ったと聞いてますが、肝心の内容は知らないんです(笑)やっぱり偽だったのでしょうか。もしそうなら、ちょっと寂しい気もしますけど。
Posted by REALLIFE at 2005年06月17日 22:38
REALLIFEさん、コメントありがとう。

僕も映画を観て初めて知った事件でした。
詳しくはPosted byのリンクをたどってみてください。写真が作り物であった事は姉妹の一方が認めて、一方は一枚は本物だった、いや全部偽物だったが妖精は存在したと、説明が二転三転したらしいです。
 ただ現実の話と、この映画の出来とはまったく関係がないと思うので、あまりホントかウソかは気にしない方がいいのでは?
Posted by アスラン(コティングリー妖精事件〜Wikipedia) at 2005年06月18日 01:20
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【映画】 フェアリーテイル
Excerpt: 出演:フロレンス・ハース、エリザベス・アール、    ピーター・オトゥール、ハーヴェイ・カイテル、    ポール・マクガン 監督:チャールズ・スターリッジ 1998年のイギリス映画です。 この物語は..
Weblog: REAL LIFE
Tracked: 2005-06-17 22:28
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