2008年01月07日

フラッシュ・ゴードン(1980年)

 今も昔も正月映画ほど詰まらないものはない。大味な超大作映画を多くの映画館で判で押したように上映するからだ。しかも今でこそなくなったが、昔はオールスターキャストの顔見世興行的な映画が上映されたから、詰まらない映画がさらに詰まらなくなったりする。なんてご隠居の小言みたいな事を言ってばかりで、さてここ5年ばかりは映画鑑賞から遠ざかってしまっているから、最近の正月映画は相変わらず詰まらないのかと思いきや、意外と小粒で面白い作品や正月らしからぬテーマ性のある映画など取り混ぜて上映されている。僕の認識がすでに古いのかもしれない。

 まあ以前はそうだったとしておこう。ただしそれもこれも映画好きが高じて年間150〜200本の映画を観に行くマニアックな日常だったからこそ言える話だ。年末年始に1本か2本の映画を観るだけなら、大味な超大作でも十分なのかもしれない。そもそも正月にふさわしい映画とはなんだろうと考えると、家族や恋人どうし、あるいは何人もの友人と連れだって賑やかに楽しめるものがいいのだろう。昔家族で正月に観た「天平の甍」や「ナイル殺人事件」の映画としての出来をうんぬんするより、正月に父や母や兄と一緒に観に行ったという思い出こそが今となっては大きな財産だ。

 そしてまさしく「フラッシュ・ゴードン」は、高校の友人たちと一緒に観たという愉快な思い出と結びついた映画である事がなにより重要だ。1980年というと高校2年生で迎えた正月だ。これ以後は受験を控えてみんなでつるんで映画を観に行く事は難しくなった。もしかするといつものメンバーで映画を観に行く最後の機会だったかもしれない。

 なぜこの映画を選んだのか、誰が観ようと言い出したのか、よく覚えていない。この年の正月映画で高校生がゲラゲラ笑いながら気楽に楽しむのに最適な映画だったのだろう。元々はアメリカのパルプマガジンのSF漫画が原作だ。今で言えば「スパイダーマン」や「Xマン」「ハルク」のようなB級感覚が全面に出た映画だった。もっとも、これらの映画のようにB級のテイストをSFXやCGを駆使して洗練した映画なんだろうと思ってもらっては困る。この映画はモロB級テイスト全開の映画だった。

 たとえば主人公のアメリカンフットボールの花形選手フラッシュ・ゴードンは、ビバリーヒルズの青春もののように金髪のサラサラ髪に筋肉質な肉体を持ちあわせ、なぜかわからないが宇宙的規模の侵略者(わかりやすく言えばデスラー総統みたいな奴だ)の魔の手から地球を守る役目を引き受ける事になる。そのチープなんだか壮大なんだかわからない荒唐無稽な設定をそのまま映像に移し替えた作品で、もし今観たとしてもそれほど面白い映画ではないかもしれない。

 ただなんと言ってもその数年前の1977年に、あの「スターウォーズ」が映画制作に画期的なテクノロジーを持ち込んで、その後の映画に多大な影響を与えたことを考えると、この映画は同様な題材でありながら「スターウォーズ」の革新をあえて無視して、言わばアナクロ(時代錯誤)に徹した手作り感が貴重な映画だったように思う。

 一番記憶に残っているのは、クライマックスでフラッシュ・ゴードンが敵の本拠地に向かう際に、ズン・ズン・ズン・ズンという重低音のリズムとともにクイーンの高音の歌声がかぶさるシーンだ。敵の基地からは稲光を絵に描いたような光線が飛び交い、その中をゴードンたちがすり抜けていく。これは当時「フラッシュのテーマ」として何度も聴いていたので、このシーンが始まるとみんな「来たぞ〜」と盛り上がった。

 主役のゴードンを演じた役者はその後消えてしまったようだが、地球の危機を予測した博士役を、僕の好きな映画「フォロー・ミー」に探偵役で出ていたトポルが演じていた。敵のミン皇帝の凶相も印象深いが、名優マック・フォン・シドーだったのか。やはり正月映画の大作らしい豪華な配役だ。フラッシュ・ゴードンに協力する銀河王国の王子に、その後007も演じた若き日のティモシー・ダルトンが配役されている。

 たぶんパンフレットの解説に書かれていたんだと思う。ジョージ・ルーカスは元々新聞に連載された漫画の大ファンで映画化を望んでいた。しかし映画化の権利がとれなかったので、あきらめてオリジナルのスペースオペラを書き上げて映画化した。それが「スターウォーズ」というわけだ。なるほど帝国軍と反乱軍との壮大な争いという構図が非常に似通っている。 

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posted by アスラン at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 記憶の映画を探して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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