2006年03月17日

僕が選んだ1998年ベストテン+お気に入り10本+ワースト5本

 「大いなる遡行1998年」が終了した。

 この年、映画館で観た映画は全部で178本だった。

 この中から当時年間ベストテンを選んでいる。これは今になっても変わらないが、ひょっとしたらもうすでにレンタルビデオでも借りられない映画が1本だけありそうな気がする。万人受けするかどうかは別にして、出来のいい作品が埋もれてしまうのは本当に惜しい。

 さて残りの168本から、もう10本だけお気に入り映画を選んでみた。ほんとは選んでみると30本お気に入りが見つかったのだがキリがないので10本だけ厳選した。前にも書いたがベストテンを選ぶときの気負いはなくて、本当に楽しんで選べた10本だ。

 ついでに座興でワースト5も選んでみた。あまり他意はないが、それにしてもちょっとはケチをつけたい作品だった。なにせお金を払って観てるんだからね。

1.桜桃の味(アッバス・キアロスタミ)

 キアロスタミの映画は毎回毎回その演出とカメラワークに驚かされるが、今回ほど胸を打たれた作品はない。自殺する事に憑かれた主人公の男の横顔とその語り口がいつまでも心に残る。

2.ゲット・オン・ザ・バス(スパイク・リー)

 スパイク・リーというと黒人社会の抱えている問題をとりあげた作品が多いが、「クルックリン」のような少年時代の貧しくも楽しい家族を描いた作品も撮っている。そのまなざしは暖かい。この作品もひとつのバスの中に詰め込まれた様々な黒人たちがまさに黒人社会の縮図になっているという趣向で分かりやすく描いているが、同時に黒人たちへの暖かなまなざしに貫かれている。

3.シーズ・ソー・ラヴリー(ニック・カサヴェテス)

 あの今は亡きジョン・カサヴェテスが書いた脚本を息子である監督が映画化。狂おしいほどに愛し合う一組の夫婦を描いた作品。ショーン・ペン、ロビン・ライト・ペン夫妻が演じているが、まさにはまり役で、特に愛しすぎてロビンへの思いを抑えきれないペンの演技は演技を超えた現実ではないのかと思えるほどだ。

4.HANA-BI(北野武)

 静けさが美しい「あの夏、いちばん静かな海。」。若さが痛いほどキラキラしている「キッズ・リターン」。そしてとにかく懐かしくてあったかい「菊次郎の夏」。北野監督は「HANA-BI」前も後も、変わることなく映画好きを楽しませてくれる。

5.ハムレット(ケネス・ブラナー)

 「ハムレット」とはこういう作品だったのか。ハムレットとはこういう男だったのか。初めてシェークスピアの原作のすごさに触れたかのように感じられた見事な演出だった。

6.バンドワゴン(ジョン・シュルツ)

 個性溢れる四人の若者が売れるバンドめざしてワゴンに乗って巡業に出かける、まさに青春映画。だがこの四人の個性がありすぎるところが最高に面白い。そして彼らが伝説のマネージャーに出会って才能を開花し、クライマックスまで突っ走る疾走感がたまらない。 

7.ダークシティ(アレックス・プロヤス)

 夜しか訪れないダークシティでは、毎晩深夜にその世界がおぞましくも姿を変えていく。そのグロテスクでかつ奇妙な世界の変形は観ている者を圧倒する。

8.ディープ・インパクト(ミミ・レダー)

 劇画「アルマゲドン」のド派手さと比較されてしまった不幸な作品。隕石衝突というモチーフ以外は何一つ似ていない映画だ。なによりミミ・レダーのクールな人間ドラマが楽しめなければ、摩天楼を超えるほどの波が来ようが、隕石の破片が飛び散ろうが、一切が無意味な映画なのだ。

9.ムトゥ 踊るマハラジャ(ケー・エス・ラヴィクマール)

 スーパースター・ラジニカーントはいまだお元気なのでしょうか?ほぼこの作品と数作で、日本でのブレイクは終えてしまった彼ですが、いまいちど燃えるようなあなたのマサラムービーを観てみたいのです。

10.追跡者(スチュワート・ベアード)

 監督は元々編集が専門だったみたいだ。なるほど場面場面の切り替えがうまいのはそのせいか。トミー・リー・ジョーンズを筆頭とする追跡者たちプロと、逃亡者であるウェズリー・スナイプス。それにFBIから派遣されたロバート・ダウニー・ジュニア。三者の思惑が入り乱れる展開が見応えあった。

 以上がベストテン。ここからがお気に入りの10本。もちろん順不同。

ピースメーカー(ミミ・レダー)

 確かミミ・レダーさんは「ER/救急救命室」からスピルバーグに手腕を買われて、本作品で映画監督に。もちろん制作はドリームワークス。それからさきは「ディープ・インパクト」「ペイ・フォワード」で、その後がない。重役になっちゃったんだっけ?惜しいなぁ。

てなもんや商社 萬福貿易会社(本木克英)

 もちろん手柄は監督さんにある。てなもんや商社には小林聡美の新人以外に、渡辺謙の王課長、香川照之の先輩社員、柴俊夫の部長と役者が揃っていて演出もふるっている。でも何より、小林聡美というキャラクターのおかしさが成功のポイントだろう。

愛を乞うひと(平山秀幸)

 中井喜一に原田美枝子。この端正な役者に端正な子役たち。そして端正な映画作りを得意とする平山監督。それはそれは見事な映画になるわけだ。

がんばっていきまっしょい(磯村一路)

 もう何も言うことない。もし一年前なら声高にこの映画の良さを叫んでいただろうが、TVドラマ化され原作も再び脚光を浴びた今となってはね。とにかく美しくて切なくて言葉にならない青春映画だ。

(ツァイ・ミンリャン)

 ツァイ・ミンリャンの映画はキアロスタミ同様毎回驚かされる。特にこの「河」の人間の本質・家族の本質をえぐり出した演出はすさまじい。目を背けたくなるような残酷なほど孤独な人々が描かれている。

アウト・オブ・サイト(スティーヴン・ソダーバーグ)

 ソダーバーグの職人芸はますますみがきがかかってくるのだろう。おそらくジェニファー・ロペスのもっとも成功した映画であり、ジョージ・クルーニーの二枚目を気取ったポーズとその実三枚目に過ぎないという本質がもっとも役側にマッチした映画だった。

恋の秋(エリック・ロメール)

 ロメールの「四季」シリーズの最終作。このシリーズはどれもこれも楽観的で結末が安易にロマンティックな佳作なのだが、この作品も期待を裏切らず楽しませてくれる。

キリコの風景(明石知幸)

 「キリコ」というから画家のキリコのことかと思ったら、主人公の男が探す別れた妻の名前が霧子だった。と思ったら映画解説を読むと舞台となる函館がキリコの絵を思わせるということでもあったらしい。しかし、またもや小林聡美だ。彼女はこんな映画に似合っている。「そこはかとなくおかしい」というキーワードは、今現在の彼女にも通用する。

ムーラン(トニー・バンクロフト/バリー・クック)

 一家の代表として男と偽って戦地に赴くムーラン。しかもお供はやくたたずの竜という設定。いろんな要素が盛り込まれて楽しませてくれるが、なによりアジア風の心の優しさ、内面の美にこだわった演出が端々に観られるて感心する。

ラヴソング(ピーター・チャン)

 テレサ・テンの流行歌が、レオン・ライとマギー・チャンの長きにわたるすれ違いにピリオドを打つ役割を担っている。テレサの死亡ニュースを伝えるテレビに引き寄せられて二人がついに再会を果たすのだが、そのゆるやかでたんたんとした場面の演出は素晴らしい。 

 以下、ワースト5。特にコメントはない。

ラブ&ポップ
ポネット
ゴジラ
アナスタシア
プライベート・ライアン 

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2006年03月06日

「キャリアガール」「金田一少年の事件簿・上海魚人伝説」(1998年1月2日(金))

 明けて1998年最初の映画はシャンテシネの「キャリアガール」(no.2)

 これまたイギリス映画だ。昨年末からイギリス映画の奥の深さに圧倒されっぱなしだ。

 タイトルの「キャリア」には二つの意味がある。

 文字通りの意味の二人のキャリアガールが10年ぶりに再会する。再会したてはぎこちない二人だったが、過去の思い出が蘇ってくるにしたがって打解けていく。

 描かれる彼女らの学生時代の共同生活はみじめったらしく悲しい。自分がかたまってなくてコンプレックスばかり。それでもお互いがいたから今の自分がある。言わば人生のキャリアを重ねて自分を探して来た。その意味でもキャリアガールなのだ。

 今の自分たちも決して明るいとはいえないが、前向きに生きている。それだけでも二人の未来は明るい。

 日比谷映画で「金田一少年の事件簿・上海魚人伝説」(no.1)を観る。

 奇しくも向いの宝塚劇場では、劇場サヨナラ記念公演でキンキ・キッズのコンサートで人がごった返していた。

 このシリーズもこの映画で完結らしいが、テレビシリーズが醸していたB級の派手さとあざとさが見られず、映画向けにちんまりまとまってしまっている。

 犯人やトリックの意外性もとってつけたようで、それこそ「じっちゃんが泣くぞ」と言いたくなる

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2006年03月05日

「いますぐ抱きしめたい」「キッチン」(1998年1月4日(日))

 ユーロスペースで「いますぐ抱きしめたい」(no.4)を観る。

 今を時めくウォン・カーウァイのデビュー作。

 香港映画ではよくあるチンピラヤクザのラブストーリーで内容自体はとりたてて観るべきものはない。それよりファーストシーンのテレビのブラウン管に反射される曇り空に流れる雲や、スピーディなバイオレンスシーンに挿入されるスローモーションなど、現在の彼の映像手法につながる映像表現を観ればいい。

 シネ・アミューズで「キッチン」(no.3)を観る。

 吉本ばなな原作で、かつて森田芳光も映画化した。今度は香港映画でヒロインのみかげ(こちらではマギー)を富田靖子が演じている。

 森田の方はほぼ原作どおりだったが、こちらはセリフはすべてオリジナル、設定もかなり変っている。ただ心の奥底で求め合う人間の寂しさと優しさといったテーマだけが同じだ。

 後半は(原作で言うと「キッチン2 満月」になってからは)ぐっと良くなるが、前半は退屈だし話が奇妙すぎる


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2006年03月04日

「タイタニック」(1998年1月6日(火))

 1:00頃に私用が終って神楽坂で昼食。その後有楽町に出て「タイタニック」(no.5)を観る。

 混雑を避けて平日を狙ったがマリオンは既に立ち見。向いのニューシネマ東宝でもやっているとのことであわてて移動して観る。

 全体としてはまあまあの出来。やはりラブストーリーを重視した結果、タイタニック事件そのものを描き切れなかった恨みが残る。そのうえダイヤにまつわるエピソードや、それを引き上げようとする現代のトレジャーハンターのパートは舌足らずでさしみのツマにもなっていない。

 特に問題なのは、前半はラブ・ストーリーで後半は「ポセイドン・アドベンチャー」を思わせるようなパニック映画と、監督の興味が移ってしまい、おのずと観客の興味も二分されてしまうところだ。つまりラブ・ストーリーに感情移入している人間には、後半のパニックぶりは過剰な映像・過剰な演出で一気に興ざめする。逆に後半のCGを駆使したパニックものに興味を合わせると、前半のラブ・ストーリーは停滞しているとも思えるだろう。

 僕としてはラブ・ストーリーの前半は及第点。後半でケチがついた。とにもかくにも、僕の前の列の女性のように、しゃくりあげて泣くほどの映画ではない。

 タイタニックは沈み過去の遺物となった。現代のビデオカメラが映し出す海底のタイタニックに、当時のタイタニックと人々がオーバーラップし、ケイト・ウィンスレットとディカプリオが楽しそうに踊りながら再開(回想)するエンディングは素敵な演出だ

 それにしても3時間14分は長すぎる

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2006年03月02日

「エアフォース・ワン」「ラブ&ポップ」「CURE/キュア」(1998年1月10日(土))

  スカラ座で「エアフォース・ワン」(no.8)を観る。

 アメリカ合衆国大統領をこれ以上の適役はないと言えるハリソン・フォードが演じている。

 テロリストにハイジャックされた大統領機エアフォース・ワンから大統領をいかに救い出すかという難題を大統領自身が立ち回って解決するという非常に明快なストーリにしているところがミソ。一見ストーリは単純だが、機内という限られた空間を観客にいかに観せていくかとか、大統領がいかに機転を効かせて事態を収拾していくか等、見どころは一杯ある。

 「レオン」のゲイリー・オールドマンの信念を貫くテロリスト役も、ハリソン・フォードに負けず劣らずの適役だ。

 銀座シャンゼリゼで「ラブ&ポップ」(no.7)を観る。

 今日が初日。庵野秀明監督作品。やはり学生らしい男が多い。

 上映を待つ間に場内はアニメおたくっぽい会話が飛び交う。映画が始まっても時折失笑が起こる。どういう時かというと例えばヒロインの女の子が心の中のもうひとりの自分と対話するシークエンスで、映像はなく字幕が出てそれに音声がかぶる。言うまでもなくエヴァンゲリオンで使われた手法だ。

 彼等は映画を期待して見に来てはいないようだ。私はと言えば、ラストを除いてほぼ全編ビデオ撮りしてからフィルムにおこすやり方をとっているのが納得がいかなかった。リアルさを出したり無気質な映像を作ったりするのに一部ビデオで撮るというのはいいと思うけど。

 それと村上龍の原作そのままのセリフと思えるところと、エヴァそのもののような庵野オリジナルのセリフとがはっきり区別できるようなアンバランスが感じられた。

 東劇で「CURE/キュア」(no.6)を観る。

 頚動脈を左右X型に切るという殺人が連続で起きる。いずれも身近の普通の人が動機もなく殺している。犯人どうしに何の関連もない。

 実は萩原聖人扮する心理学専攻の元大学生が暗示をかけていた。役所広司扮する本庁の刑事が追い詰めていくが、やがて自らも犯人に魅入られていく。

 暗示をかけられた人々がいつもと何も変らない日常生活の中で突然何の前触れもなく人を殺すシーンがなかなか怖い。ただ犯人について何も明かにされず、ほとんどの謎が解決されずに終るのは観る者にかなり不満を残すところだろう。

 唯一、刑事の友人の精神科医が「彼(犯人)は伝道師なのかも知れない」という謎はラストのワン・ショットで明かされる。このラストの怖さもじわーっとくる。

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2006年02月28日

「この森で、天使はバスを降りた」(1998年1月15日(木)成人の日)

 深夜から雪が降り続け、8日に引き続き大雪の一日。祝日だが、こういう日は空いているだろうなと思ったら、つい出かけてしまった。

 シャンテ・シネで「この森で、天使はバスを降りた」(no.11)を観る。

 初日だがやはり雪で6、7分の入り。

 刑務所を出所して田舎町の小さなレストランで働くパーシー。よそものが来た事で町は動揺する。彼女は暴力を振るう夫を殺した罪で刑務所に入っていた。その時おなかにいた子供も夫の暴力がもとで流産していて深い心の傷を負っている。

 レストランには偏屈でガンコな老婦人が一人で切り盛りしている。彼女もベトナムで失った息子について隠された心の傷を持っている。

 彼女たちはお互いに徐々に心を開いていくが、婦人の甥の心ない行為に阻まれて悲劇が訪れる。しかしそれをきっかけに町中の人々がパーシーの優しさに気づく。

 一種の癒し(ヒーリング)の映画。内容もいいし出演者もいいし田舎町の風景もいいがストーリーの語り口がよくないし、見せ場の作り方がうまくない

 泣きたくても今一つ泣けない。ロバート・ベントンにぜひ撮らせたかった

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2006年02月26日

「HANA-BI」「マッド・ドックス」(1998年1月25日(日))

 銀座テアトル西友に朝一番で「HANA-BI」(no.13)を観に行く。

 30分前に着いたので行列は出来ていなかった。座れたので安心するとともにちょっと残念。賞もとって前評判も高いのだからもっと若い連中が来てもいいのに。もちろん最終的には立ち見になったけれど。

 タイトルの「花」は色鮮やかな生を、「火」は暴力的な死を象徴している。

 その名の通り刑事を辞めざるを得なくなった二人の男が、一方は半身不随の体を持て余しながらも絵を描く事で生きていく事を決意し、一方は不治の病で先のない妻と終焉の場所を求めて旅を続ける。その対比がくっきりと描き出されていて素晴らしい

 特に大杉漣扮する元刑事が、一度は自殺までしながらふと立ち止まった花屋で買い求めた「花」をモチーフにして自らの殺伐とした心象風景をひたすら描き続ける。やがて心の底から静かに湧きあがるように生きたいと願うまでの描き方が感動的だ。

 食事後、恵比寿に移動。恵比寿ガーデンシネマで「マッド・ドックス」(no.12)を観る。

 ギャングの大ボスが精神病院から戻ってくる。彼のいない間に好き勝手やっていた子分やライバルたちは戦々恐々として彼を待ち受ける。ギャング映画だけれどブラックユーモアが強いコメディになっている。

 ギャングのボスがあのリチャード・ドレイファスだし、ボスの女に手を出してしまった男にジェフ・ゴールドブラムだ。その他出てくる人がアクの強い個性派俳優ばかり。

 ストーリやカメラワークはちょっと誇張がすぎるが、昔のハリウッド映画のようで面白い

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2006年02月25日

「フラバー」(1998年1月27日(火))

 さくらカードの試写会が当って、有楽町よみうりホールで「フラバー」(no.14)を観る。

 天才発明家である大学教授が、弾力性にすぐれ自由に変形出来るフラバー(フライング・ラバーの略)を発明し、経営不振の大学の危機を救う。

 一言で「子供向け映画」だ。発明に夢中で恋人との結婚を3度もすっぽかす大学教授をロビン・ウィリアムスが演じている。こういう役は彼のはまり役だ。予算の都合なのか「フラバー」そのものが踊り出したり動くシーンは全体からすると少ない感じがした。

カチンコ
 ディズニー映画という事で子供向けと割り切るしかないが、いやに設定も展開も古くさい。と思ったら1961年の「うっかり博士の大発明 フラバァ」をリメイクしたものだそうだ。当時は大ヒットしたらしい。「メリー・ポピンズ」と同じ監督だというから、ファンタジーものがお得意だったようだ。


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2006年02月24日

「カルラの歌」「スリング・ブレイド」(1998年1月31日(土))

 新宿のシネマスクエア東急で「カルラの歌」(no.16)を観る。

 ロンドンの2階建てバスの運転手ジョージは、無賃乗車を車掌に問い詰められた女性を逃がしてやる。彼女カルラは内戦の続くニカラグアで恋人が傷つき別れ別れになっている。ジョージとカルラは親しくなるが、彼女は心の傷が癒えていない。そして元恋人を探すために二人はニカラグアに旅立つ。

 ジョージ役に「フル・モンティ」ロバート・カーライル。一見さえないあんちゃんだが、なにげない優しさがにじみ出てくる良い顔をしている。

 ケン・ローチ監督の骨太の演出でぐいぐい観せてくれるが、スコット・グレン扮する元CIAの設定はとってつけたようで納得がいかない。

 恵比寿ガーデンシネマで「スリング・ブレイド」(no.15)を観る。

 幼い頃、母親と不倫の相手とを鉈(スリング・ブレイド)で殺害して精神病院に収容されたカールは25年後に退院する。

 病院で穏やかな日々を過ごした彼は病院以外行く所がないが、知り合った少年フランクの家のガレージにすまわせてもらう。父の面影を求めて慕ってくるフランクと心を通いあわせるが、母親の恋人がひどい男でフランクやその母に暴力を振るうのを見兼ねて再び殺人を犯して病院に戻る。

 心の純粋さゆえに人を殺すクライマックスの緊張感、そして再び病院の単調で穏やかな日々。しかし窓の外を見つめる彼の心には、以前にはないあの親子の姿が刻まれている筈だ

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「草原とボタン」(1998年2月1日(日))

 「グループ満点の星」の芝居が終ってから、シネスイッチ銀座で「草原とボタン」(no.17)を観る。

 橋を隔てて隣り町同志の子供たちの戦争(ケンカ)を描いている。

 捕虜となった子供からはボタンを奪い合うようになり、次第にあの手この手の戦略を用いてボタン戦争はエスカレートしてゆく。舞台となるアイルランドの自然と田舎町の風景、それに子供たちののびやかさが楽しく描かれている。

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2006年02月17日

「ポネット」「G.I.ジェーン」(1998年2月2日(月))

 神田で昼食後、渋谷に出てル・シネマで「ポネット」(no.19)を観る。

 交通事故で母親を亡くした幼いポネットは、その事が信じられず迎えに来るのをひたすら待ち続けて周囲を困惑させる。この手の話は少々退屈で、実はほとんどうつらうつらして面白さが最後までわからなかった。

 ラストで母親がさよならを言いに現れる奇跡が起こるのだが、どうしてもそういうシーンが必要なのか納得がいかなかった。

 キアロスタミの「桜桃の味」を引き続き観ようとユーロスペースに行ったが、上映開始間際で行列が出来ていたので断念。

 渋谷ジョイシネマで「G.I.ジェーン」(no.18)を観る。

 デミー・ムーア扮する海軍将校が、女性差別撤廃を求める女性上院議員の野望から海兵隊でもっとも過酷な訓練に参加する事になり、やり遂げるまでを描く。

 とにかくあまりにむちゃくちゃな訓練で会場からは笑いさえおこるのだが、丸坊主になってまで頑張るジェーンに次第に感情移入するようになってしまう。ただ終盤、訓練終了後に実戦になり不測の事態を解決するという流れになると、これは「トップガン」そのものでちょっと興ざめ

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2006年02月15日

「ゲーム」「チャイニーズ・ボックス」(1998年2月7日(土))

 日比谷映画で「ゲーム」(no.21)を観る。

 初日とあって初回(10;00)から結構入っている。

 デビッド・フィンチャー監督の前作「セブン」は内容も映像もともに暗く、後味の悪さから僕にとっては2度と観たくない映画だったが、「ゲーム」は内容がすっきりして好感がもてた。映像は相変らず演出過多のきらいがあるが、まあよくまとまっている。

 ただエンディングは前半あれだけ引張っておいておきながらという感じがして、少々消化不良気味

 シネスイッチ銀座で「チャイニーズ・ボックス」(no.20)を観る。

 「スモーク」ウェイン・ワン監督作品。

 中国返還直前の香港の混沌とした状況の中で、余命いくばくもないイギリス人ジャーナリスト(ジェレミー・アイアンズ)が自らの生きた証しを求めて街の風景をビデオで切り取っていく。

 香港返還とかぶさった主人公たちの話の意味が正直言ってよく分からなかったが、淀川さんの解説を後で読んで(聞いてか?)納得した。

 「(二人の男の間で)気持ちが決まらないコン・リー、不治の病でもう死ぬとわかったジェレミー・アイアンズ、出てくる人物みんなが、香港返還のムードを象徴している…。」

 それだから妙に重苦しい愛し方だったんだ。

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2006年02月13日

「ラブソング」(1998年2月8日(日))

 シネセゾン渋谷で「ラブソング」(no.22)を観る。

 「君さえいれば・金枝玉葉」のピータ・チャン監督の新作。

 久々に正統なラブストーリを見せつけられた。それも大陸(中国)の別の地域から香港にやってきた二人が、様々な障害をのりこえて最後にニューヨークで再会を果たす。

 ピータ・チャン独特のあか抜けた語り口も相変らずうまい。

 ラストで主人公の男(レオン・ライ)が香港に列車で到着するシーンが繰り返されるが10年前から二人は赤い糸で結ばれていた事がさりげなく明かされて感動的だ。

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2006年02月07日

「緑の街」(1998年2月11日(水)建国記念日)

 渋谷のシネ・アミューズで「緑の街」(no.23)を観る。

 小田和正監督の2作目だが、前作より出来は数段いい。

 今回も前作同様、思わせ振りなスローモーションや月並みな画面設定、過剰な演出など文句を言いたいところはたくさんある。けれど脚本作りに工夫の跡が見られ、実に映画的な場面がいくつかある

 例えば映画作りに息詰まった夏目(渡部篤郎)が助監督から

 「あなたがスタッフ皆を連れて船を出した。嘘でもいいからどこかに連れていってもらいたかった」

 と言われ、再び映画の完成を目指すべく奮起するシーンがいい。

 離れていったスタッフの心を繋ぎとめるため、絵コンテを入れた手紙をスタッフ全員に送る。絵コンテの表紙には帆を張った船がイラストされている。そして助監督の笑顔。言葉でなく目でわかる演出だ。

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2006年02月06日

「ハムレット」「ユキエ」(1998年2月14日(土))

 日比谷のみゆき座で「ハムレット」(no.25)を観る。

 4時間の大作で間に20分の休憩が入る。全席が日時指定の自由席という変則的な売り方なので一週間前に前売りを買っておいたが、いつも当日にその日見に行く映画を決めている僕としてはあまりうれしくない売り方だ。

 有名なハムレットの戯曲だが原作も読んでなければ舞台も見た事がなかったので、大変新鮮な気分で楽しめた。知らないなりに引用される事の多い有名なセリフ(「弱き者、汝の名は女」とか「生きるべきか、死ぬべきか」「尼寺へ行け」)がさりげなく出てくると、ケネス・ブラナーの演出がかなり現代的というか斬新だという事が分かる。

 「生きるべきか…」のくだりは鏡の前にハムレットを立たせ、自らの言葉に酔うかのように、それでいて不要な抑揚はつけずに言い放つ。しかも復讐の相手である国王が鏡越しにそれを見ている

 さすが映画にも精通しているブラナーだけあって単なる舞台の映画化でなく、見事に映像化に成功している。映像はオーソドックスに、演出は革新的に、という感じだ。

 シネスイッチ銀座で「ユキエ」(no.24)を観る。

 アメリカのルイジアナに暮す老夫婦の物語で、夫はアメリカ人で妻が日本人。その妻がアルツハイマーにかかり次第に重病になっていく過程を描いている。

 全編アメリカロケだが、監督は日本人、脚本は新藤兼人だ。

 これほど何も起らない映画も珍しい。何も起らないのに素晴らしい映画はたくさん観てきたが、この映画は本当に何も起らないのだ。確かに日本人妻の病状らしきものを描いてはいる。らしきものと敢えて言うのは、アルツハイマーという病気を本気で映し出そうという真剣さが画面から全く感じられないのと、老夫婦を含めて登場人物の描写がおざなりで単に脚本にある事をなぞっているだけだからだ。

 しかもユキエが故郷である萩を回想する場面ではモンタージュを多用しているが、意図が不明だし気取っていて不愉快だ。

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2006年02月05日

「トゥー・デイズ」「スポーン」(1998年2月15日(日))

 有楽町スバル座で「トゥー・デイズ」(no.27)を観る。

 何度か見た予告編で前々から観たいと思っていたが期待にたがわぬ出来。

 とにかく10人もの登場人物の設定がおもしろいし、それが一つの殺人事件を契機にして互いにかかわりあっていく偶然の描き方も楽しい。あんまり見事な脚本なので舞台劇なのかと思ったら、脚本兼監督がテレビ作品を手掛けてきた人だった。なるほどスピーディな演出はテレビで鍛えられたものだ。

 ハリウッドの裏側に当るヴァレーで暮す10人の人々。万年4位のオリンピック選手、落ちぶれた映画監督、ピザ屋になった元殺し屋、成り上がりで神経質な若きアートディーラー、そのわがままにひたすら耐える忠実な秘書、殺人課になりたくてしかたがない売春取締りの刑事。

 それぞれが胸に秘める挫折感が交差し、「2日間」で思わぬ方向へと彼等の運命を変えていく。

 松竹セントラルで「スポーン」(no.26)を観る。

 オープニングのタイトルロールが非常に凝っていて変っている。キャストなどの文字がラテン語風でところどころ滲んでいる。バックは紅蓮の炎に包まれて黙示録のような宗教画がフラッシュバックで映し出される。それにパンクロックの曲がかぶる。こけおどしとしてはまずまずの出だしだ。しかしこの部分はカイル・クーパーというアーティストによるものとの事。本篇のイメージとはギャップがある。

 映画自体はやはりコミックスの域を出ない。説明的なナレーションが陳腐だし、魔界の悪魔がコミックスそのもので実写だと笑ってしまう。そもそもアメリカのコミックスの画があまり好きになれないので、それほど楽しめなかった。

 魔界から蘇ったヒーローというのは斬新な設定で面白かったが、悪魔の手先のクラウンのジョークが下品で笑うに笑えないし、ウジのわいたピザをごみ箱から拾い上げて食べるシーンなんかは妙にリアルに撮っていて二度と観たくない。

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2006年02月03日

「女は女である」「桜桃の味」「ニル・バイ・マウス」(1998年2月21日(土))

 久し振りのゴダールという事で9:45からのモーニングショーに早起き(でもないか)して渋谷に出かけた。シネセゾン渋谷で「女は女である」(no.30)を観る。

 1961年の作品だ。59年に「勝手にしやがれ」で鮮烈に長編デビューを飾ったゴダールが、あの「女と男のいる舗道」の前年に撮っている。ゴダール作品のアイドル的存在であるアンナ・カリーナと、やがて「気狂いピエロ」で共演する事になるジャン・ポール・ベルモンドが、本作で既に共演している。

 赤ちゃんが欲しいと甘える女と、いきなりの言葉に尻込みする男。現実的に物事を考える男には何故突然そんな事を言い出すのか理解できない。結婚して生活が安定したら考えよう。でも女は我慢出来ない。あなたを愛している証しが今すぐにでも欲しいのよ。

 「決して恥知らずな女じゃないわ。ただの一人の女よ」

 そう言い放つアンナ・カリーナの息を飲むような愛らしさと楽しさに満ちた作品だ。こんなに楽天的で楽しいゴダール作品は珍しい。

 ユーロスペースで「桜桃の味」(no.29)を観る。

 イランのアッバス・キアロスタミ監督の新作。

 昨年のカンヌ映画祭で今村昌平の「うなぎ」とパルムドールを分けあった作品だ。何というか本当にドキドキと心が揺さぶられるような映画だ。別に感動的な事件が何か起る訳ではない。ドキドキという意味はサスペンスに酔ったという意味ではない。最初から最後まで途切れる事のない映画的感性にときめいてしまうのだ。

 車を運転する男の横顔から映画は始まる。男は人を探してひたすら車を走らせる。乗った人にこう依頼するのだ。

 「あの穴が見えるか。明日、私の名を2度呼べ。返事をしたら穴からひきあげろ。しなかったら20杯土をかけろ」と。

 自殺の手助けを依頼された最初の若者は早々に逃げ出す。男は再び言う事を聞いてくれる人を探して車を走らす。死にたがる男の切実な願いに僕ら観客は一時も画面から目が離せない。それと同時に手助けを探す彼の心に、人恋しさとひとかけらの「生」へのこだわりを見出だす。

 依頼を受けた3人目の老人に男は念を押す。「私が返事をしなかったらどうする?」

 老人は答える。「するさ。そう信じとる」

 ひたひたと僕の心を何かが満たす。その夜、男は睡眠薬を飲んで穴に入る。果たして男は明日朝返事をするだろうか?

 恵比寿ガーデンシネマで「ニル・バイ・マウス」(no.28)を観る。

 あの「レオン」「エアフォースワン」で強烈な悪役を演じたゲイリー・オールドマンが脚本・監督をした映画だ。

 ロンドンの下町で貧しい暮しをしている労働者階級の家族を描いている。夫は失業中でヤクと酒におぼれ、妊娠中の妻に乱暴して流産させてしまう。妻は家を飛び出すが、夫は妻を執拗に追い求める。

 ヘビーな内容だが後味は悪くないレイ・ウインストン演じる夫はヤクこそやってはいるが、どん底の貧しい生活から抜け出す事が出来ず家族に温かい言葉もかけられない不器用な人間だと分かるからだ。自分の親父もパブに入り浸りで何一つ愛情を注いでくれなかった。そんな親父と同じ道をたどっている自分に嫌悪感を感じている。

 妻も元の鞘に戻る。これは愛情からなのか、行き場のないあきらめからなのか。

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2006年02月01日

「ジャンク・メール」「アートフル・ドジャース」(1998年2月22日(日))

 日比谷シャンテ・シネで「ジャンク・メール」(no.32)を観る。

 ノルウェーの新進監督ポール・シュレットアウネの作品。

 郵便配達員ロイは重い手紙の束を列車のトンネルにあいた穴にほうり込んだり、気に食わない配達先の男の封書を開封して盗み見たりしている。そんな彼が一目ぼれしたクリーニング店の女性リーナの部屋のカギを手に入れてしまい、留守中に部屋に忍び込む。そして彼女がある強盗事件に関係している事を知ってしまう。

 小心でさえない男が自殺未遂をおこすリーナを助けたり、共犯の男から彼女を救ったり、一途にリーナに思いを寄せる奇妙な純情ラブストーリーになっている。

 中島みゆきのツアー・チケットが今朝幸運にも電話予約できたので、さっそくソニービルのチケットぴあで受け取り、その足で六本木に移動。

 シネ・ヴィヴァン六本木で「アートフル・ドジャース」(no.31)を観る。

 タイトルの意味は「やりたいようにすりぬけて生きる奴」という事らしい。ニューヨークで思い思いに暮す画家、ポルノ作家、ストリートミュージシャンの3人の若者。野心をもってニューヨークに来たというより日本を離れて放浪するためにここに来たようだ。だから熱い思いではなく、冷めたまなざしと一人で生きる強い意志が要求される。それが持続できなければ画家のように故郷・日本に戻るしかない。

 低予算で作られたオールアメリカ・ロケの日本映画。石田一成扮する画家は、偶然であった幼馴染みの紗於里のためにノイローゼになった彼女の姉綾乃を探し、海辺で茫然自失している綾乃を見つける。彼女の心の叫びをまのあたりにして自らもボヘミアンの生活に幕を降ろして帰国を決意したのだろう。

 とは言え、このエピソードも中々分かりにくい。演技陣が幼く気持ちが今一つ伝わってこないからだ。

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posted by アスラン at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

「ピースメーカー」「フェイス/オフ」(1998年2月28日(土))

 シャンテ・シネで「ピースメーカー」(no.34)を観る。

 自分の好みじゃなさそうなので今まで敬遠していたのだが、予想外の出来

 監督のミミ・レダーは、TVドラマ「ER/救急救命室」の演出・プロデュースを手掛けた。この作品も「ER」の手法が充分活かされている。目まぐるしく対象を追うカメラワーク。マシンガンのように畳みかける会話のやり取り。そして何より人と人とのぶつかりあいをリアルに切り取るクールなまなざし

 二コール・キッドマンジョージ・クルーニーという組み合わせは、普通のハリウッド映画ならばラブ・シーンの一つもありそうなものだが、予想は最後まで裏切られる

 事件が解決してキッドマンがまたいつものようにプールで泳いでいる。

 そこへクルーニー。「軍の仲間ならば共にビールで乾杯するんだが」。
 キッドマンがクールに突き放す。「あと10往復しなきゃ」。
 クルーニーが苦笑い。「待つよ」
 ここでエンド・クレジットが入る。

 まさしく「ER」そのものだ。素晴らしい!

 丸の内ルーブルで「フェイス/オフ」(no.33)を観る。

 香港からハリウッドに進出したアクション監督ジョン・ウーの作品。

 テロリスト・トロイが仕掛けた細菌爆弾の所在をさぐるため、彼の顔を自分の顔に移植するFBI捜査官アーチャー。しかし意識を取り戻したトロイはアーチャーの顔を移植してすべての証拠を抹殺し、アーチャーを監獄へ落とし入れる。

 顔を取り替えた事で窮地に追い込まれてゆくストーリーは、ヒッチコック映画のような不条理な恐怖を連想させる。そして鏡を多用する事で、自らが最も嫌悪する顔が常に目の前にあるという怒りと恐怖をうまく演出している。

 今日観た2本は対極にあるアクション映画だが、どちらも人間ドラマであり上質のアクション映画になっている。

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posted by アスラン at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月26日

「川のうつろい」(1998年3月1日(日))

 朝から雪。ものすごい勢いで吹雪いていたのでまた大雪かと思われたが、昼前に雨に変った。新宿の新星堂から前日「筒美恭平HISTORY」の入荷の知らせがあり、受け取りに新宿に出た。

 ついでにシネマ・カリテで「川のうつろい」(no.35)を観る。

 よく知らずにフランス映画というだけで見に行ったらコスチューム物だった。フランス革命を真近かに控えた18世紀のフランス。決闘でルイ16世の友人を殺したばかりに国外追放となり、西アフリカの植民地に総督として追いやられる貴族の話。

 恋人とも別れ、世捨て人のように退廃的な生活を送る。アフリカのエキゾチックで憂鬱な暮し、退廃的で不正がまかりとおる辺境の軍隊。その中で彼は黒人の奴隷として送られた女の子を寵愛し、人間として教育も受けさせる。成長した彼女は男の人形としての自分に矛盾を感じて男の元を去る。その時初めて男は彼女を一人の女性として愛している事に気づいて追いかける。

 異国での波乱万丈な大河ロマンスであり、繊細で情感あふれる映画だ。

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posted by アスラン at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 大いなる遡行(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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